『倫敦(ロンドン)塔』(夏目漱石)を読んで

 漱石が、イギリスでの体験を元に書いた小説ですが、若く美しい女性が斬首される妄想などが書かれていて、かなり「病んでいる」ように感じました。(解説によると、執筆当時の漱石は神経衰弱に陥っていたそうです。)ただ、最後におまけのような「おち」の部分があり、イギリスの作家や歴史家の書いたものをパクった部分が多いということで、「漱石さんほどの作家でも、作家になったばかりのころには、そんなことをしてたんだな~」と、かえって親しみも感じました。