2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

借金の哲学? 『直木三十五伝』

直木三十五の甥にあたる植村鞆音氏による『直木三十五伝』。借金について参考になる(かもしれない)ことが書かれていました。(以下、抜粋。なお、文中の「宗一」は三十五の本名です。) 宗一には、借金について彼なりの哲学があった。ひとつは高利貸からしか金…

トイレで坐禅?

本日、用事があって県庁所在地の都市に行き、通りがかりの中央公園でトイレに入ろうとしたところ、「清掃中なので車椅子用のトイレをご使用ください」との表示がありました。指示に従って車椅子用のトイレに入り、便器に座ってドアを見たところ、次のような…

「二匹の蛙」の話 『アドラー心理学入門』(ベスト新書)

アドラー心理学については、よく理解していないのですが、「二匹の蛙」の話には感心しました。(以下、適当にまとめておきます。) ①二匹の蛙がミルク壺に落ちた。 ②一匹の蛙は、ああもう駄目だ、と叫んで諦め、何もしないで溺れて死んでしまった。 ③もう一匹…

初めて知った「南国忌」(2月24日「読売新聞」)

本日の読売新聞では、「編集手帳」の内容に興味を持ちました。今日は、直木三十五の命日で、「南国忌」と呼ばれているとのこと。彼の妻(佛子寿満(ぶつしすま))は、長女を出産してすぐに読売新聞の記者として働き始め、子守と家事は夫の三十五が担当した…

初めてのお使い(ではないけど)

再就職先に出す書類を取りに、市役所に行きました。地元の市役所ですが、自分で書類を取りに来たのは、なんと初めて(*_*)。今まで、必要な時は、配偶者に代理で来てもらっていたことに、改めて気づかされました。そういえば、自分で銀行に行くようになったの…

「健康」の新しい定義 『安楽死・尊厳死の現在』(岩波新書)

『安楽死・尊厳死の現在』の終章には、「健康とは何か」について書かれています。 WHOは「健康」を、「単に疾患がないとか虚弱でない状態ではなく、身体的・心理的・社会的に完全に良い状態」と定義し、「完全に」を入れたことで、非常に扱いづらい定義にな…

深い言葉 『平成の藝談』(岩波新書)

『平成の藝談』では、歌舞伎役者の言葉を紹介しています。今まで数回しか歌舞伎を観ていない私ですが、元禄の名優・坂田藤十郎の言葉に感動しました。役者は算盤や手跡など習う必要がないという意見に対して、言った言葉だそうです。(以下、抜粋) 「いやいや…

延命中止で延命効果? 『安楽死・尊厳死の現在』(岩波新書)

『安楽死・尊厳死の現在』を読んでいて、気分が落ち込んできましたが、中には明るい(?)話題もありました。在宅医療・在宅での看取りに取り組んでいらっしゃる小笠原文雄医師が、『なんとめでたいご臨終』という本であげていらっしゃる例です。(以下、抜粋) …

はきものの夢 『無意識の構造』(中公新書)

河合隼雄先生の『無意識の構造』を読み返していたら、「はきものの夢」について書いてありました。(以下、抜粋) はきものが見つからぬので、裸足で歩いてゆこうとする夢を見た人がある。この人は、これを「よい手段が見つからぬので無茶なことをしようとす…

ポピュリズムについて 『フランス現代史』(岩波新書)

先ほど読み終えた『フランス現代史』に、ポピュリズムについて分かりやすく説明してあったので、記録しておきます。(以下、抜粋) 21世紀に入り、政治は、効果と意義と実現可能性をもった政策の構想と提示よりは、政治家の人格やイメージの売り込みという色…

久しぶりの「怪」

先ほど(午前2時ごろ)、机に座って本を読んでいると、突然聞いたことがない音楽が鳴り始めました。室内にオルゴールはありますが、そのメロディーとは全く違うメロディーです。たった数秒のことでしたが、背中がゾクゾクし始めたので、寝室に行って寝まし…

予知能力?

配偶者の報告によると、今朝、認知症を患っている私の母(84歳)が、「お父ちゃんがいない」と言って泣いていたとのこと。ちなみに「お父ちゃん」というのは、彼女の息子である私のことです。私はちゃんと二階にいたのですが。母は、私の死を予知したのかな…

貧乏という身分? 『贋作吾輩は猫である』(内田百閒)

百閒先生ご自身がモデルと思われる五沙弥と、教え子の出田羅迷(でたらめい)、狗爵舎(くしゃくしゃ)との会話が秀逸です。(以下、抜粋) 「お金は有る様にでも、無い様にでも、どうにでもなるさ」 「そんなものかね。だが僕等の様な貧乏人はその融通がつかない…

かなり厳しいアドラー心理学 『アドラー心理学入門』(ベスト新書)

アルバイトで使う必要を感じて、久しぶりに『アドラー心理学入門』を再読しました。アドラーさんの「目的論」という考え方、かなり「厳しい」と改めて感じました。(以下、抜粋) 腹が立ったので怒鳴ったというのが原因論であるとすれば、目的論では怒鳴るた…

消えたfacebook(*_*)

久しぶりにfacebookに入ろうとしたら、自分のページ(?)に入れない! しかも、電話番号とかを聞かれ、変な風に誘導されて、新しいアカウントを作らされてしまいました。これって、なんなんですかね? ウイルス? とりあえず、facebookはもうやめて、このブ…

職務怠慢五沙弥先生 『贋作吾輩は猫である』(内田百閒)

漱石先生の『吾輩は猫である』の、続編的な性格の作品で、猫を飼っている五沙弥入道(元教師)の所に、昔の教え子たちが遊びに来る場面は、百閒先生の随想のままのような感じです。(以下、教え子たちとの会話を抜粋) 「文章家の先生に指導せられて、僕達は格…

仏教の寛容性 『いのちの苦しみは消える』(小学館)

サブタイトルは、「医師で僧侶で末期がんの私」。内科医と住職を兼ねていらっしゃった故田中雅博先生の著作。序章の、仏教について書かれていた中に、田中先生が住職をされていた西明寺のことも書かれていました。(以下、抜粋) 本来の仏教は、生きている人の…

サイバネティクスはファシズムの土台 『アナキズム』(岩波新書)

サイバネティクスとは、「自動制御装置」と訳され、コンピュータとかAIのもとになった科学技術のことで、著者の栗原康氏は、現代では人間がサイバネティクス化されてしまっていると書いています。(以下、抜粋) ほんとは、どこの会社も自転車操業でやってい…

100年前の胸キュン♡ 『百鬼園日記帖』(内田百閒)

大正8(1919)年2月16日(日)、前日から知人たちと飲み、午前1時ごろ帰宅した百閒先生が書いた日記が印象的なので記録しておきます。(以下、抜粋。文中の町子というのは百閒先生の奥様です。) 門をあけて玄関の硝子戸をあけて、戸をしめてもだれも声をしな…

不思議な借金生活 『百鬼園日記帖』(内田百閒)

今からほぼ100年前、百閒先生が30歳のころの日記です。ドイツ語教師として2校(途中から3校)を掛け持ちし、翻訳を手がけ、しかも雑誌に小説まで載せているといのに、なぜか壮絶な借金生活。毎日のように金策に駆け回っています。(以下、大正8年7月29日の…

漱石先生とドストエフスキー 『思い出す事など』(夏目漱石)

『思い出す事など』という随筆集に、ドストエフスキーのことが書かれていました。(以下、抜粋) ドストイェフスキーには、人の知る如く、子供の時分から癲癇の発作があった。われ等日本人は癲癇と聞くと、ただ白い泡を連想するに過ぎないが、西洋では古くか…