2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『双生隅田川(ふたごすみだがわ)』(近松門左衛門)を読んで

室町時代に書かれた謡曲『隅田川』を、近松が脚色した時代物です。比良山の天狗が出てきたり、掛け軸の鯉が庭の池で泳いだり、荒唐無稽な内容です。主人公のように描かれていた正義の味方のような武士が、最初の方であっさり殺されてしまったりもするので、…

いい加減にシュロ!

3か月ぐらい前に、前庭のシュロの木を伐採したのですが、切り株の後から、新たな芽が出てきました。しかもトゲまで付いて。気が付いた時点ですぐに切ることにしていますが、一体いつまで芽を出すのやら・・・。

『心中宵庚申(しんじゅうよいこうしん)』(近松門左衛門)を読んで

前半は男色(男性同性愛)系の話で、読者向けのサービスかな?と思いました。中盤から意地悪な姑が登場し、結局その姑のせいで若い夫婦が心中してしまうという、家庭内の問題を扱っていますが、身近な問題だけにかえって悲惨な印象を受けました。(しかも心…

鈴の形の白い花(大根(すずしろ)の花)

大根の花が咲きました。大根は、春の七草の一つ「すずしろ」が別名で、「しろ」は根っこの白い色を意味するらしいのですが、食べるという見地からだけではなく、花の可憐さにも注目してほしいと思います。(花が咲いたら、根っこに「ス」が入って食べられな…

『私は忘れない』を、私は忘れない

小学生の時に好きだった岡崎友紀の曲。「あの人の幸せを私は祈る」という部分が特に好きでしたが、その後ず~っと聴く機会がなく、タイトルも知らずに40年以上が経ってしまいました。2年ほど前にネットで検索して、曲名が『私は忘れない』であることを知りま…

『女殺油地獄(おんなころしあぶらのじごく)』を読んで

実話を元にした近松門左衛門の浄瑠璃です。前半は喧嘩の場面が多く、母親が23歳のバカ息子を殴るシーンなどもあり、ドタバタした感じでしたが、後半になると心理戦(?)のような展開になり、登場人物が本心と違う言葉を言ったりしてややこしく感じました。…

『少女』(五輪真弓)について

五輪真弓の『少女』という曲、小学生の時好きになり、気になりながらも、その後ず~っと聞いていなかったのですが、社会人になって10年ぐらい経ってから、大学入試センター試験(共通一次だったかも?)の国語の課題文で『少女』の歌詞が紹介されているのを…

ちょっと危険なネーミング

玄関先のプランターで、「鉄砲ユリ」が咲きました。危ない名前で気の毒ですが、玄関の「守衛」として役立ってくれるのでしょうか?

『墨東奇譚』(永井荷風)を読んで

作者を思わせる主人公が、小説の中で別の小説の展開を考えている部分があり、全体をどうまとめるのか楽しみでしたが、結局まとめることなく、尻切れトンボっぽい終わり方でした。ただ、若い頃から風俗で遊び慣れている主人公と、私娼のお雪との純愛っぽい関…

昭和4年の文春砲?

永井荷風の『墨東奇譚』(さんずい偏の「ぼく」に変換できません(´;ω;`))を読み始めたのですが、作者の永井は、カフェーに出入りしたことから、昭和4年4月号の『文藝春秋』で、「生存させて置いてはならない」と攻撃されたとのこと。今から90年ぐらい前…

『少将滋幹(しげもと)の母』(谷崎潤一郎)を読んで

前半に二つ、興味深いエピソードが書かれています。①権力者である左大臣時平が、自分の伯父である国経から美人の妻を奪い取る話。②平中という貴族が、好きな女性の「おまる」を奪って中を確認する話。・・・特に2番目の話は、スカトロジーってやつですかね? …

主人公はメイド?『つゆのあとさき』(永井荷風)を読んで

今から87年も前に書かれた小説で、昭和初期の銀座のカフェーの女給が主人公です。カフェーの女給って、メイドカフェのメイドさんのようなものか、と思っていました(行ったことはありません)が、この小説の主人公は、実際は娼婦(私娼)で、いろんな男と関…

背中が半分、青いカエル

背中にだけ青い色が入っているカエルを庭で見つけました。すぐ近くに、同じ大きさ・形で青い色が入っていないカエルもいました。(そちらのカエルは、以前紹介したカエルだと思われます。)同じ種類だと思われるのに、色が一部違うのは、普段生活する場所の…

『雨月物語 巻之二 淺茅が宿』を読んで

下総の国(千葉県)の男が、妻を残して京都に出稼ぎに行ったのですが、戦乱のためになかなか帰ることができず、7年後にやっと帰って妻と一夜をともにしました。ところが、翌朝起きてみると、妻はいなくて、家もあばら家になっていて、妻は実は死んでいたの…

『フィレンツェ』(岩波新書)を読んで

副題は「比類なき文化都市の歴史」。苦手なカタカナ文字ばかりで、苦労しましたが、特に印象に残った箇所のみ抜粋しておきます。(以下、抜粋) かつてルネサンス様式の市民芸術がフィレンツェで花開いたのは、共和制のもと、アルテ、兄弟会、修道院、隣組、…

映画『下妻物語』について

私は最近の映画・テレビドラマが嫌いです。特に嫌いなのは、某局の大河ドラマ。多くのカメラを駆使し、視聴者に対して「すごいだろ~」と誇示している意図が感じられて、観ていられないのです。(世阿弥が書いた『風姿花伝』にも、そういった観客の心理が書…

『雨月物語 巻之四 蛇性の婬』を読んで

『雨月物語』は、江戸時代の怪談集と思っていたので、期待して(?)読んだのですが、巻之四に関しては、期待外れでした。蛇の化け物(物の怪?)が美女に姿を変えて、ストーカーのように男にまとわりつくという内容で、ちょっとうらやましいほどでした。そ…

バラバラの薔薇

玄関の薔薇です。一つの鉢から咲いているのに、なぜか、あっちむいてホイの状態です。美しいもの同士は、仲が悪いのかも(´;ω;`)

半分(ぐらい)、青い(かも)?

庭のアジサイ(ですよね?)。背景はサツマイモの葉っぱです。

『雪後庵夜話』(谷崎潤一郎)を読んで

谷崎が晩年に書いた随筆です。前半に他人の妻(M子)を奪った思い出が書かれていて、ひどい男だったんだな~と思いました。さらに、結婚したM子に自分の子を妊娠中絶させたことまで書いていて、そこまで書く必要があるのかな、とも思いました。ただ、M子とそ…

『セーラー服と機関銃』について

原作、および映画の内容はイマイチだと思いますが、薬師丸ひろ子の歌う主題歌は絶品。透明な声に、魅かれます。(よって、申し訳ないのですが、これからもカラオケで歌わせていただきます。)

『武士の家計簿』(新潮新書)を読んで

副題は「『加賀藩御算用者』の幕末維新」。同名の映画のようなドラマ仕立てではありません(予告編しか観ていません)が、豊富に残された史料をわかりやすく解説してくださっていて、幕末から明治にかけての武士・士族の大変さが、ドラマを観ているようにあ…

『カミングアウト』(朝日新書)を読んで

自分がゲイもしくはレズビアンであることを、親や兄弟にカミングアウトしたという実話がいくつも書かれていて、読んでいて涙が出ました。印象的だったのは次の一節。(以下、抜粋) きっとゲイやレズビアンにとって心の平和を感じられる、幸福度が高いと思え…

『歴史の愉しみ方』(中公新書)を読んで

『武士の家計簿』で一躍有名になった磯田道史氏の著作で、副題は「忍者・合戦・幕末史に学ぶ」。磯田氏は33歳まで定職がなく、古文書をさがして全国を行脚していたとのことで、その頃の経験がふんだんに書かれています。ただし、東日本大震災以降は、就職し…

『その症状、本当に認知症ですか』(扶桑社新書)を読んで

今まで漠然と「認知症=アルツハイマー病」と考えてきましたが、それが間違いだということがわかりました。認知症とは「脳の神経細胞が障害され、記憶や学習、判断などの機能が低下し、日常生活に支障が出てきた状態」のことで、アルツハイマー病は、そのよ…

『武士の日本史』(岩波新書)を読んで

今年の5月に発行されたばかりの本で、最新の研究の成果を元に書かれています。「武士道」が後になってから作られたものであるにもかかわらず、軍部がそれを利用することで、大勢の日本人兵士が太平洋戦争で無駄死にしたことなどが書かれており、歴史学の研…

『ヤングケアラー』(中公新書)を読んで

副題は「介護を担う子ども・若者の現実」。「ヤングケアラー」とは、家族の介護を行う18歳未満の子どもを指す言葉だそうです。イギリスの先進的な取り組みが詳しく書かれていました。日本でもこの言葉が広く知られるようになって、ヤングケアラーに対する理…

『座頭市』の映画を観て

午前2時ごろ目が覚めて、時代劇チャンネルをつけたら、『座頭市』が始まったところだったので、観てしまいました。(タイトルは忘れましたが、勝新太郎が主演の昔の映画です。)あらすじはいかにも「時代劇」って感じでしたが、殺陣のレベルの高さに驚きま…

捨て子大根の成長

幼いころに間引きをして、ネギ畑に捨てた大根が、立派に成長しました。

『倫敦(ロンドン)塔』(夏目漱石)を読んで

漱石が、イギリスでの体験を元に書いた小説ですが、若く美しい女性が斬首される妄想などが書かれていて、かなり「病んでいる」ように感じました。(解説によると、執筆当時の漱石は神経衰弱に陥っていたそうです。)ただ、最後におまけのような「おち」の部…