『雨月物語 巻之四 蛇性の婬』を読んで

 『雨月物語』は、江戸時代の怪談集と思っていたので、期待して(?)読んだのですが、巻之四に関しては、期待外れでした。蛇の化け物(物の怪?)が美女に姿を変えて、ストーカーのように男にまとわりつくという内容で、ちょっとうらやましいほどでした。それにしても、「蛇=しつこい=女性」という連想は、道成寺説話などにもあり、よく使われますが、しつこいのは男の方だと思います。「嫉妬」という熟語の漢字が二文字とも「おんなへん」であることに対しても、納得がいきません。