『女殺油地獄(おんなころしあぶらのじごく)』を読んで

 実話を元にした近松門左衛門浄瑠璃です。前半は喧嘩の場面が多く、母親が23歳のバカ息子を殴るシーンなどもあり、ドタバタした感じでしたが、後半になると心理戦(?)のような展開になり、登場人物が本心と違う言葉を言ったりしてややこしく感じました。浄瑠璃作家としての近松の実力が、かなり充実してきたのだと思います。タイトルは「油屋さんでおきた女性殺害事件」ぐらいの意味です。