高プロの本音 『ルポ 中年フリーター』(NHK出版新書)

 今年の11月に発行された『ルポ 中年フリーター』には、高度プロフェッショナル制度について、批判的な見方が書かれています。高度プロフェッショナル制度高プロ)とは、高収入の専門職を時間外労働の規制から外す制度。(以下、抜粋)

 労働界の猛反対を押し切ってまで、なぜ与党は強行採決に加担したのか。高プロの背後には、経済界の「もうきちんと賃金を払うだけの成長を見込めない」という本音があるのではないか。それを象徴するのが、カジノを含む総合型リゾート実施法案だろう。同法案について、立教大学金子勝特任教授は「めちゃめちゃ働かせて、ギャンブルで観光客を集めるしかないのが、アベノミクスの現状」(東京新聞、2018年6月15日)という安倍政権の窮状を指摘している。
 正社員といえども、雇用が不安定になりかねない状況だ。アベノミクスが真に持続的な景気回復をもたらすのならば、こうした雇用政策は無用なはずだ。ここに、財界との駆け引きが垣間見える。(抜粋、終わり)

 結局、「残業代を払いたくない」ということなのでしょうね。それにしても、NHK出版新書にしては、思い切った政権批判をしているものです。