『心中宵庚申(しんじゅうよいこうしん)』(近松門左衛門)を読んで

 前半は男色(男性同性愛)系の話で、読者向けのサービスかな?と思いました。中盤から意地悪な姑が登場し、結局その姑のせいで若い夫婦が心中してしまうという、家庭内の問題を扱っていますが、身近な問題だけにかえって悲惨な印象を受けました。(しかも心中自体は事実だということです。)ただ作品内で、近松の他の作品をそれとなく紹介しているような部分があり、近松さんも意外とお茶目(?)なところがあるのだな~と、ほほえましく感じました。