寛容が生む生産性(10月21日「読売新聞」)

 本日の読売新聞の書評欄で『カミングアウト LGBTの社員とその同僚に贈るメッセージ』という本が紹介されていました。著者は、ジョン・ブラウンというイギリス人で、多国籍企業・BPの元CEOであった彼は、ゲイであることをゴシップ氏に暴かれ、辞職したとのこと。この本の中に書かれているという、ある専門家による報告が興味深いものであったため、抜粋しておきます。(以下、抜粋)

 カミングアウトは勇気がいる。LGBTへの偏見が根強い国や業界も多い。一方、LGBTに寛容な業界や都市は、革新的で優秀な人々を引きつけ生産性が高いという統計的な事実がある。同性のカップルが手をつないで道を歩ける町は、インド人技術者やタトゥーだらけのソフトウェアオタク、外国生まれの起業家にも居心地がよい。ゲイの上司は自らの苦労体験があるため、シングルマザーや有色人種など多様性を尊重し、LGBTではない部下も高い満足度で働ける。(抜粋、終わり)

 この本を紹介した明治大学教授の加藤徹先生によると、著者はもうCEOではないが、「ある意味、以前よりも確実に生産的になっているかもしれない。隠し事をするのに無駄な時間を使わなくなったからだ」と言っているとのこと。読んでみたい本です。