EUについて 『世界経済入門』(講談社現代新書)

 『世界経済入門』のEUに関する部分、あまり理解できなかったのですが、本日図書館に返しに行くので、印象に残った部分のみ抜粋しておきます。(以下、抜粋)

EECやEUが、ヨーロッパの発展に寄与したのかどうかは、明らかでありません。共通通貨であるユーロの現状を見ると、失敗であったと評価すべきでしょう。とりわけ、後述するギリシャの問題やユーロ危機の問題を見ると、そう評価せざるを得ません。経済原則を軽視して政治的な理念を求めても、結局は失敗することの典型例と言えます。
しばしば、「円安は安倍晋三内閣の金融緩和政策によってもたらされた」と言われますが、そうではなく、円安は、ユーロ危機の鎮静化によってもたらされたのです。円安が安倍内閣の成立前の12年秋から始まっていることを見れば、これは明らかです。
ギリシャがユーロを離脱すると、ターゲット2の債務を踏み倒す恐れがあります。他方、ドイツが離脱すると、債権を回収できません。だから、ドイツはギリシャを支援し続け、ギリシャにユーロに踏みとどまってもらわなければならないのです。
 債権国ドイツが債務国を支配しているのではなく、皮肉なことに、債務国ギリシャが強い立場にいて、「巨額の債権を抱えてしまったため弱い立場にいる」ドイツを振り回しているのです。(抜粋、終わり)