遠山の金さん 『江戸の家計簿』(宝島社新書)

 『江戸の家計簿』に、遠山の金さんのことが書かれていました。(以下、適当にまとめておきます。)

①江戸っ子に人気だった遠山景元は、桜吹雪の入れ墨で知られるが、これは後世の創作による。
②庶民の生活に親しんでいたことは事実で、若い頃は家を飛び出し、町家で放蕩生活を送った。
③30を超えた頃に家督を継ぎ、江戸城へ出仕した。
④わずか10年で勘定奉行を経て北町奉行に就任するなど、出世頭として活躍した。
天保の改革の折には、過剰な質素倹約によって江戸の文化・風俗が弾圧されたのに対し、遠山は強く反対した。
⑥改革を進めた老中・水野忠邦と確執を持ち、事実上の左遷にあった。
⑦その後、水野が失脚すると、南町奉行に復職した。

 やはり、人々から愛される理由はあったのですね。ちなみに、今朝読んだ永井荷風の小説『散柳窓夕栄(ちるやなぎまどのゆうばえ)』は、まさしく天保の改革時の江戸を舞台としていて、遠山左衛門尉も、間接的に描かれていました。あと、気になる彼の年収ですが、現在の金額にして、3億1,500万円とのこと。すごいようですが、家臣の分も含めてだと思われます。