奇跡的な再婚 『カサンドラ症候群』(角川新書)

 『カサンドラ症候群』に、ある男女(ハリーとクララ)に起きた出来事が書かれていました。(以下、適当にまとめておきます。)

①心理学者のハリー・ハーロウが、ウイスコンシン大学に新任の教員として着任したとき、魅力的で優秀なクララは、その大学の院生だった。
②二人はお互いに惹かれるものを感じ、結婚した。
③ハリーは研究に没頭するが、クララは大学院を中退し、家事や育児に追われた。
④二人の間に溝が広がり、クララはカサンドラ症候群に陥った。
⑤クララの側から離婚を申し立て、ハリーもそれを承認した。(結婚していたのは14年間)
⑥ハリーはその後、マーガレットという研究者の女性と再婚した。
⑦再婚後はハリーも賢く立ち回り、自分の研究室にマーガレットのためのポストを確保し、家事や育児も手伝った。
⑧ハリーとマーガレットは、23年間あまり夫婦として過ごしたが、マーガレットは乳がんに冒され、死亡した。
⑨ハリーはうつ病になり、アルコールに救いを求めるようになった。
⑩孤独のあまり、元妻のクララに電話をしたハリーは、クララも再婚相手の夫を失っていたことを知った。
⑪ハリーとクララは、以前の親しさを取り戻し、再び結婚した。
⑫クララは助手としてハリーの仕事を手伝い、ハリーの死までともに過ごした。

 離婚した相手ともう一回結婚するということ、あるのですね。ここまで劇的だと、「前世からの縁」のようなものを感じてしまいます。