2018-07-31から1日間の記事一覧

無理な設定の幻想小説 『雪霊記事』『雪霊続記』(泉鏡花)

雪のため、汽車が武生(越前の府)から先に行けなくなって、仕方なく武生に宿をとることになった主人公が、昔世話になったお米さんという女性を訪ねて虎杖(いたどり)の宿に歩いていこうとする内容で、1921(大正10)年に発表された小説ですが、虎杖の宿は…

薄幸の極致? 『浅草の姉妹』(川端康成)

鉄火肌の長女、門付けの次女、踊子の三女。彼女たちが社会の最下層に近い所で、男に弄ばされそうになりながらも、たくましく生きていく様子が描かれています。10代前半の門付け女のグループが、おれん(三姉妹の長女)をならず者の男たちから助ける場面は、…