『「もののあはれ」を読み解く』を読んで

 サブタイトルは「『源氏物語』の真実」。『源氏物語』って、とっくに解釈が確定しているのかと思っていたのですが、この本を読んで、誤った解釈が伝わってしまっていることを知りました。特に、六条御息所は、今まで「嫉妬深い女の代表」のように言われてきましたが、そうではないことがわかりましたので、誰か彼女を今までの悪いイメージから救ってあげてほしいなと思いました。(架空の女性ですが。)
 江戸時代に書かれた『湖月抄』などの研究書に、近現代の研究者が批判もなく乗っかってしまっていたことが、解釈の誤りにつながったようです。
 80歳を過ぎた筆者(小谷恵造氏)が、今年出した本であるということも驚きです。