『好色五人女 巻二』を読んで

 タイトルは「情けを入れし樽屋物かたり」。意外に感じたのは「一切の女、移り気なる物にして」という表現。江戸時代の上方町人の世界では、女性が浮気するのは当然だとも解釈できる表現だからです。ただし話の結末は、夫以外の男との浮気の現場を夫に見つけられた「おせん」が自害して果てるというものなので、女の浮気はあったとしても、やはり命がけの行為だったようです。