『暴走する能力主義』(ちくま新書)

 タイトルに魅かれて借りたのですが、私には理解困難です。ただ、ちょっとだけ分かったような気がする一部分だけ抜粋しておきます。(以下、抜粋)

 私たちは「○○教授!、ノーベル賞受賞!」のニュースを聞いて、はじめてその○○教授がすばらしい能力をもった人だという認識を得る。それだけでなく、社会的にも厚く待遇し始めるのである。しかし、実はそれと同等の成果を挙げた研究者はほかにもいるだろうし、ノーベル賞の枠がない領域もある。また、ノーベル賞は生存者にしか授与されないので、大発見をした人物でも受賞しないケースは多数ある。それでも我々が「ノーベル賞」に最大の敬意を払うのは、専門知識のないほとんどの人にとって学者の能力を測ることが困難だからである。その意味で「ノーベル賞」はたとえ偏った物差しであったとしても、暫定的に能力を評価するには非常にわかりやすいインデックスなのである。