異界への旅 『坑夫』(夏目漱石)

 漱石さんの作品の中で、あまり人気のない『坑夫』。自殺まで考えて家出をした主人公が、ぽん引きに引っかかって足尾銅山に連れて来られるという内容です。差別用語や差別的な見方が満載で、取り扱いにくい小説だと思いましたが、足尾銅山とそこで働く坑夫たちの様子が描かれていて、勉強になったし、最初は読みにくかったけど、銅山に着いてからは結構面白く読むことができました。読み終えたばかりで、うまく表現はできませんが、「深い」小説だと思いました。