続編があった!「夫婦善哉」(織田作之助)

 2013年発行の岩波文庫夫婦善哉 正続 他十二編』には、「続 夫婦善哉」が載せられています。これに関する説明が「解説」に書かれているので、抜粋しておきます。(以下、抜粋)

 「続 夫婦善哉」は、作者の生前に発表されなかった小説である。改造社の山本実彦社長の遺品が鹿児島県薩摩川内(せんだい)市に寄贈され、その中にこの完成原稿が含まれていた。2007年に川内まごころ文学館で発見され、話題になった作品である。(抜粋、終わり)

 「話題になった」とありますが、全く知りませんでした。
 小説の内容は、舞台が途中から別府に移りますが、相変わらず資金がたまったら商売を始めるという生活の繰り返しです。年齢のせいか、柳吉もかなり落ち着き、ほっとしますが、戦争の「影」が、不気味に見え始めてきます。「解説」にも、「おそらくは検閲を恐れて未掲載になったものであろう」と書かれています。なかなかうまくいかないものですね。