復活!北リアス線 『ステーキを下町で』(平松洋子)
『ステーキを下町で』は「食」に関するエッセイ集ですが、発行が2013年。震災から間もない時期に、三陸にウニ弁当を食べに行った内容のエッセイもあり、その中で、三陸鉄道の望月社長の言葉が紹介されています。(以下、抜粋)
(震災後、一部区間の)運行を再開したのは16日朝8時、その後12時、16時の3往復です。(中略)家や車を流された人が多かった。着の身着のままで財布を持っていない人だって当然いますから、運賃は無料にしました。(中略)
県に連絡を取り、14日に国土交通省の東北運輸局に連絡を取ると「試運転だけはやってくれ」。理解してくれてゴーサインが出た。もちろん反対はありました。何でこんなときに急ぐんだとか、油がないときに列車を動かすより捜索用に使ったほうがいいんじゃないかとか。うるせっと言いました。(笑)
略してしまいましたが、望月社長はご自身で線路を視察に行かれて安全を確認し、食べ物もなく困っている人たちのことを配慮して運行再開を社員に指示したとのこと。理想的なリーダーと社員の皆さんだと思いました。