やっぱり強い!アメリカ経済 『世界経済入門』(講談社現代新書)

 他人の貧乏話ばかり読んで喜んでいるのも、いかがなものかと思われたので、講談社現代新書の『世界経済入門』を読み始めました。専門用語などの説明があっさりしていて、速く読める半面、分からない部分もあります。現時点において特に印象に残ったのは、アメリカに関する部分で、筆者の野口悠紀雄氏は、次のような点を挙げてアメリカ経済の強さを示しています。

①製造業は縮小したが、それにかわって高度サービス産業が成長していること。
GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)などのIT関連企業が、アメリカ経済を牽引していること。
③アップルが世界的水平分業という生産方式を確立し、新しい製造業のビジネスモデルを切り開いたこと。
シリコンバレーにIT関連の先端企業が集積し、盛んにイノベーションを起こしてきたこと。
⑤ラストベルト(錆びついた工業地帯)も、産業構造の変化により蘇ってきたこと。

 特に③については、日本とは対照的らしく、日本の製造業の衰退の原因の一つもそこにあるようです。
 なお、トランプ氏の経済政策については、アメリカにとって逆効果であるというのが、野口先生のお考えのようです。