汚い言葉の効用!?(10月27日「朝日新聞」)

 昨日の朝日新聞の書評欄で『悪態の科学 あなたはなぜ口にしてしまうのか』という本が紹介されていました。(以下、抜粋)

 全員で下品な隠語を使うチームのほうが、使わないチームよりも労働効率がよく、メンバー同士の結びつきが強く生産性が高い。しかもこれは特殊な事例ではなく、さまざまな労働環境で普遍的に見られる現象であることは、さまざまな研究が明らかにしている。また、冷たい氷水に手を入れて耐えるとき、汚い言葉を使ったほうが、汚い言葉を使わないときよりも1・5倍も長く耐えられる。(抜粋、終わり)

 にわかには信じがたい話ですが、この本は、ロボット工学者にして人工知能開発に携わるエマ・バーンという人が書いた本で、彼は、言語学神経科学、心理学などあらゆる学問の研究成果から「悪態」を調査・研究したそうです。この本を紹介したサンキュータツオ氏は、最後のほうで次のように書いています。(以下、抜粋)

 (そうした研究から考えさせられるのは、)人間の「バグ」のように思われて思考から排除されてきたこのような言葉たちが、実はロボットと人間の境目にある人間のアイデンティティにすらなっているという可能性だ。思考の過程を経ず、反射的に出てくる言葉だからこそ本質的なのだ。(抜粋、終わり)