両忘という言葉 『ほっとする禅語70』

 『ほっとする禅語70』という本、右側のページに一つの禅語の説明が書かれていて、左側のページには、その禅語が、味のある字体で墨書されているだけという、読みやすいはずの本なのですが、一つ一つの言葉で考え込んでしまい、結構時間をかけて読んでいます。たとえば、「両忘(りょうぼう)」という言葉では、(以下、抜粋)

 生死を忘れる。貧富を忘れる。苦楽を忘れる。二元的な考え方をやめることです。
 生きている時に「死んだらどうしよう」とくよくよ考えていないで、生きることに徹すると、死を忘れることが出来ます。さらに、死ぬことも生きることも両方とも忘れると、心に静寂が得られます。(抜粋、終わり)

 なかなか忘れることができないところに、人間の苦労があると思うのですが、こういう言葉があるということは、一瞬ではあっても、確かに「ほっとする」ことのような気がします。