期待できる未来 『移民国家アメリカの歴史』(岩波新書)
黒人やアジア人に対する差別など、気が滅入る話が多かった『移民国家アメリカの歴史』ですが、後半になって、やや希望の光が見えてきたように感じました。(以下、印象に残ったことを適当にまとめておきます。)
③「不忠誠者」と見なされた日系人は、別の収容所へ移送された。
⑦アメリカの人種別移民分布の予測では、21世紀半ばには、アジア系が他を抜いて最大になり、彼らがアメリカの差別を撤廃する希望の星になることが期待される。(現在活躍中のアジア系アメリカ人も多い。)(まとめ、終わり)
あと、日系人として初めてアメリカ連邦議会下院議員となったダニエル・イノウエが、1959年に来日し、岸信介首相に対して、「いつか日系人が米国大使となる日が来るかもしれません」と言った時の、岸首相の答えを抜粋しておきます。(以下、抜粋)
「日本には、由緒ある武家の末裔、旧華族や皇族の関係者が多くいる。彼らが今、社会や経済のリーダーシップを担っている。あなたがた日系人は、貧しいことなどを理由に、日本を棄てた「出来損ない」ではないか。そんな人を駐日大使として、受けいれるわけにはいかない。」(抜粋、終わり)
岸首相こそ、「出来損ない」だと、私は思いました。