家族の再生 『カサンドラ症候群』(角川新書)

 『カサンドラ症候群』には、いろんな例が書かれていましたが、40代の主婦Rさんの例が、最も印象に残りました。(以下、適当にまとめておきます。)

①Rさんの夫は、短気で怒りっぽいところがあり、Rさんは逆らわないようにしてきた。
②会社での責任が重くなり、上司からも無理難題を言われるようになった夫は、帰宅しても不機嫌になるようになった。
③家庭内の険悪な空気のせいか、息子が学校を休みがちになった。
④息子のことを夫に相談すると、夫はRさんのせいにし、彼女を非難するばかりだった。
⑤Rさんは、気分や体調がすぐれないことが増えた。(これがカサンドラ症候群
⑥夫自身が、上司からのプレッシャーに耐えかねて、会社に行けなくなった。
⑦Rさんは、夫の代わりに、パートで働くようになった。
⑧息子も、学校に行かない代わりに、バイトを始めた。
⑨夫のうつ状態は改善し、部署を変えてもらって、出勤できるようになった。
⑩夫は別人のように穏やかになり、息子は定時制高校を経て、大学に進学した。

 上記の⑥あたりは、どん底という感じがしますが、落ちるところまで落ちると、その後上昇するってこともあるんですね。ちなみに、この例が書かれている部分のタイトルは、「ピンチは変化を引き起こすチャンス」です。