文学は壁を崩す営み!?(12月8日「朝日新聞」)

 昨日の朝日新聞の「カルチャー」ページに池澤夏樹氏の文章があり、印象的な部分がありました。「ヨーロッパ文芸フェスティバル/国際文芸フェスティバルTOKYO」に参加した時のことと、「かつてエホバは人間の力を削ぐために、バベルの塔を築く者たちを言葉の壁で隔てた」といったようなことを書いた後で、(以下、抜粋)

 三カ月前のこのコラムでぼくは「官公庁がこぞって身体障害者の雇用数をごまかすような国にパラリンピックを開催する資格はない」と書いた。最近になって道府県の多くが「精神・知的障害者」に雇用の機会を与えていないことが明らかになった。
 為政者と経営者は「普通の人間」というカテゴリーがあると信じて疑わない。だから生産性などという言葉が出てくる。しかし、この世界には「人間」しかいないのだ。
 文学はエホバに逆らって壁を崩す営みであり、そこにこそ今回のフェスティバルの意義もあった。(抜粋、終わり)

 為政者が、文系の学問(特に人文系)を低く見るのは、ある意味では必然的なことかもしれませんね。Kという大臣は、「東大法学部」以外をバカにしているみたいだし。