深い言葉 『平成の藝談』(岩波新書)

 『平成の藝談』では、歌舞伎役者の言葉を紹介しています。今まで数回しか歌舞伎を観ていない私ですが、元禄の名優・坂田藤十郎の言葉に感動しました。役者は算盤や手跡など習う必要がないという意見に対して、言った言葉だそうです。(以下、抜粋)

「いやいやさにはあらず。役者の芸は乞食袋にて、当分いらふが入(いる)まいが、何にても見付次第ひろひ取、袋に入て帰りたるがよし。入ものばかり用に立、いらざるものはとつて置、入ル時出すべし。ねからしらぬ事はならぬもの。巾着切の所作なりとも、能(よく)見ならへ」(抜粋、終わり)

 現在の学校での勉強に通じるところがあるように感じます。