2018-08-31から1日間の記事一覧

どうして首に首ったけ? 『百面相役者』(江戸川乱歩)

昔、お寺の縁日に怪しげな小屋が建てられ、「蛇女」とかの出し物(?)があったような、かすかな記憶がありますが、入ったことはありません。乱歩さんのこの小説は、そのような芝居小屋で百面相を演じている役者が、実は「首泥棒」だった?という、とんでも…

女人地獄使? 『二人の稚児』(谷崎潤一郎)

生後すぐに比叡山延暦寺に預けられ、女性を知らずに育った二人の稚児が、思春期になって、女性へのあこがれに悩まされるという内容です。谷崎さんの「王朝物」の先駆けとなった作品らしいのですが、女性に対する谷崎さんのアンビバレントな思いが表現されて…

100年前のサイコパス? 『異端者の悲しみ』(谷崎潤一郎)

親切な友人からの借金を踏み倒し、その友人が死んだら喜んだり、肺の病気で死の床にいる妹に嫌がらせをしたり・・・。全く共感できない主人公が描かれていますが、解説によると、事実そのままに近い自叙伝的作品とのこと。谷崎さんって、どうしようもない「イヤ…