『ユダヤ人とユダヤ教』(岩波新書)

 専門用語が多く、いちいち意味を確認せず、何とか通読しただけなので、半分以下しか理解できていません。(以下、抜粋)

 近代以前のユダヤ人は、国家の保護を当てにできない寄る辺なき存在であった。しかし、西欧で近代国家が建設され、市民権を得たユダヤ人は国家の保護を受けられるようになった。これは僥倖であった。ユダヤ人の大半が歓喜の声を上げ、こぞって新国家の社会に同化し、国家に貢献しようと多方面で能力を発揮した。19世紀後半になると、フランスでも、イギリスでも、そしてドイツでも、金融、経済、思想、哲学、科学、医学、法曹、芸術などの分野でユダヤ人が頭角を現わし、繁栄を一身に集めるほどに活躍するに至った。
 ところが、その目覚ましい活躍が、他の異教徒である国民の嫉妬を誘い、さらには屈辱感を与えることになった。19世紀以降のヨーロッパでは、いわゆる反ユダヤ主義のもと、社会的差別から始まり、法的差別、物理的迫害、さらには物理的抹殺へとエスカレートしていった。一度は迎え入れたユダヤ人を、近代国家は棄民としたのである。(抜粋、終わり)

 抜粋した部分ぐらいは覚えておきたいと思います。なお、当然のことでしょうが、ユダヤ人といっても一枚岩ではなく、いろんな考えの人たちがいることにも考えさせられました。