『「地方ならお金がなくても幸せでしょ」とか言うな!』(朝日新書)

 ユニークなタイトルの本(サブタイトルは、「日本を蝕む『おしつけ地方論』」)ですが、目からウロコの一冊でした。(以下、抜粋)

 おしつけ地方論に抗することは、グローバライゼーションという現実から目を背ける妄想を打ち砕くことである。大都市にある格差の問題は地方にもある。大都市で深刻化している貧困は地方においても深刻化している。大都市で地域コミュニティが弱体化しているとすれば、それは地方においても弱体化している。大都市で文化の混淆が起こっているとすれば、それは地方においても起こっている。つまり、大都市で起こっていることは地方でも起こっているのである(むしろ、それはより進行していることも多々ある)。私たちはこうした現実を直視しなくてはならないし、そこから目を背けさせるような政治的な言説に対抗しなくてはならない。(抜粋、終わり)

 この本では、いろいろな映画を取り上げ、「薄っぺらな」映画と「深い」映画を区別しています。映画を全く観ない私ですが、興味深く読むことができました。