2018-01-01から1年間の記事一覧

女性のふりをした丸刈り男(特定健診)

所属している共済組合から、「早よ行け、ボケ!」みたいな催促のお便りをいただきましたので、近くの病院に、特定健診とかいうやつに行ってきました。待合室で、先に入った先輩方の様子を観察させていただくと、男性はブルー、女性はピンクの、だぼっとした…

税金が趣味? 『まあだかい』(ちくま文庫)

『内田百閒集成10』のタイトルは、『まあだかい』。還暦を過ぎた百閒先生を、かつての教え子たちが誕生日ごとに祝う「摩阿陀会(まあだかい)」のことが書かれています。「還暦を過ぎたのに、まだ生きている。死ぬのはまだか」というのが名前の由来だそうで…

どうなる?日本の大学 『大学大崩壊』(朝日新書)

今年の11月30日に発行された『大学大崩壊』を読み始めました。サブタイトルは、「リストラされる国立大、見捨てられる私立大」。現在の日本の大学の大変な状況が書かれていますが、読んでいて特に心が痛むのが、非常勤教員の置かれた状況です。(以下、抜粋…

楽天家夫婦の正月 『百鬼園戦後日記』(ちくま文庫)

百鬼園こと内田百閒先生と、奥様の「こひ」さん、正月から「いい味」を出しています。(以下、昭和22年1月1日の日記から抜粋) 三ヶ日の間一日一本宛(ずつ)のつもりで昨夕こひが町内羽根から買って来た麦酒を午(ひる)に一本、夕方に二本、結局今日一日で…

日本赤軍のこと

12月3日(月)の地方紙の「平成を歩く」という特集記事は、「日本赤軍 重信房子逮捕」というタイトルでした。1ページを使って詳しく書かれていた説明を読み、自分の中でちょっとした「混乱」を感じました。(以下、抜粋) レバノンの首都ベイルートにあるパ…

飲んべえの論理 『百鬼園戦後日記』(ちくま文庫)

昭和21年9月14日の日記が、切実ではあるのですが、面白いです。(以下、抜粋) 申し分無き時候なるにお酒なし。毎日待ち兼ねて大分日が経ったから何をする気もせず身体がだるくなった。神田が復興のお祭りにてお酒はみんなそっちへ行って仕舞うと云う話也。…

73年前の値段 『百鬼園戦後日記』(ちくま文庫)

『百鬼園戦後日記』には、終戦直後のモノの値段が細かく書かれていて、参考になります。もちろん、物資の不足や流通の混乱などで、かなり高めだったと思われますが。(以下、昭和20年12月18日の日記から抜粋) 鰯は大体三十匹で十円である。二十五の事も四十…

ヒモを弁護する論理 『ひかげの花』(永井荷風)

1934(昭和9)年に発表された、荷風先生の『ひかげの花』、主人公の重吉は、私娼のヒモですが、小説の中では、彼を弁護しています。(以下、抜粋) 世間には立身栄達の道を求めるために富豪の養子になったり権家の婿になったりするものがいくらもある。現在…

終戦直後の貴重な記録 『百鬼園戦後日記』(ちくま文庫)

『内田百閒集成23』の『百鬼園戦後日記』には、昭和20年5月の東京空襲で焼け出された百閒先生の、三畳一間の掘立小屋での生活が書かれています。炊事場も厠も外という、悲惨な生活ですが、毎日、食料と同じぐらい酒のことを気にしている点が、百閒先生らしい…

遠山の金さん 『江戸の家計簿』(宝島社新書)

『江戸の家計簿』に、遠山の金さんのことが書かれていました。(以下、適当にまとめておきます。) ①江戸っ子に人気だった遠山景元は、桜吹雪の入れ墨で知られるが、これは後世の創作による。 ②庶民の生活に親しんでいたことは事実で、若い頃は家を飛び出し…

奇跡的な再婚 『カサンドラ症候群』(角川新書)

『カサンドラ症候群』に、ある男女(ハリーとクララ)に起きた出来事が書かれていました。(以下、適当にまとめておきます。) ①心理学者のハリー・ハーロウが、ウイスコンシン大学に新任の教員として着任したとき、魅力的で優秀なクララは、その大学の院生…

家族の再生 『カサンドラ症候群』(角川新書)

『カサンドラ症候群』には、いろんな例が書かれていましたが、40代の主婦Rさんの例が、最も印象に残りました。(以下、適当にまとめておきます。) ①Rさんの夫は、短気で怒りっぽいところがあり、Rさんは逆らわないようにしてきた。 ②会社での責任が重くなり…

離婚で早死に!? 『カサンドラ症候群』(角川新書)

昨日は、元親方の離婚が話題になっていましたが、『カサンドラ症候群』に、ショッキングなことが書かれていました。(以下、抜粋) 少し前までは、オスというのは浮気性の動物で、できるだけ多くのメスとセックスしようとし、そうすることが自分の遺伝子を残…

夫婦関係の危機! 『カサンドラ症候群』(角川新書)

サブタイトルが「身近な人がアスペルガーだったら」だったので、漠然と、職場にいる「大人の発達障害」社員のことが書かれているのかな~と思って読み始めたのですが、「身近な人」というのは自分の配偶者のことだったのですね。 「カサンドラ」とは、ギリシ…

すごい効果!発酵食品 『江戸の家計簿』(宝島社新書)

『江戸の家計簿』には、「特別インタビュー」というコーナーがあり、発酵学者である小泉武夫氏の話が載っていました。 小泉氏によると、日本は非常に発酵の食文化が色濃いところで、酒は縄文時代からあったとのこと。その他、いろいろな食品について触れてい…

三井財閥のスタート 『江戸の家計簿』(宝島社新書)

『武士の家計簿』を書いた磯田道史氏による、『江戸の家計簿』という著書もあるのを見つけ、さっそく借りてみました。『武士の家計簿』のようなドラマチックな内容ではありませんが、楽しんで読めました。 その中で、三井財閥の祖である三井高利という人には…

「待つ」ことの大切さ 『続ほっとする禅語70』

『続ほっとする禅語70』では、「花謝樹無影(はなしゃしてきにかげなし)」という言葉の説明の例が、私を励ましてくれるように感じました。この言葉は、「冬のあいだ花をつけない裸の木は、死んでしまったのではなく、次の春に向けて花を咲かせるエネルギー…

やっぱり偽物!ウイルス警告(11月25日「読売新聞」)

最近、3日に1回ぐらいの頻度で、「ウイルスに感染しているので~」といったような表示が出ていたのですが、怪しいと思って、その表示が出た時は、強制終了か再起動で対処していました。本日の読売新聞の「くらし 家庭」という欄に、「ネットに偽のウイルス警…

鳩山さんと沖縄(11月24日「朝日新聞」)

本日の朝日新聞「平成とは」のコーナーには、沖縄のことが書かれていましたが、鳩山由紀夫元首相の言葉が印象的でした。(以下、抜粋) 私が辺野古やむなしと考える前提となった「基地の65カイリ以内に訓練場が必要」という米軍のマニュアルは存在しないこと…

「よう来た えらかったのう」(11月24日「朝日新聞」)

本日の朝日新聞で、最も印象に残った記事は、別刷り(be on Saturday)にある中本忠子(ちかこ)さん(84歳)のことを紹介した記事。なんと36年間も、子どもたちに食事を作ってあげているとのこと。今でこそ、「食べて語ろう会」というNPO法人になり、ボラン…

期待できる未来 『移民国家アメリカの歴史』(岩波新書)

黒人やアジア人に対する差別など、気が滅入る話が多かった『移民国家アメリカの歴史』ですが、後半になって、やや希望の光が見えてきたように感じました。(以下、印象に残ったことを適当にまとめておきます。) ①太平洋戦争が始まると、日系アメリカ人は戦…

差別を生んだ優生学 『移民国家アメリカの歴史』(岩波新書)

1882年、排華法という法律によって、中国人移民労働者が全面禁止になり、すでにアメリカに在住している中国人には、身分証明書の所持が義務付けられたとのこと。さらに、同じ年に一般移民法も制定され、「白痴、精神異常者、犯罪者、および公共の負担となる…

BOOK-OFFには、二度と行きません

古本を売りに行ったのですが、名作『晏子』(新品同様)が一冊5円、司馬遼太郎の作品が0円なんて、私の中ではありえません。これぐらいなら、市立図書館や、学校の図書館に寄付した方がいいと思いました。本の価値を知らない人が古本を扱っているって、悲…

差別内差別? 『移民国家アメリカの歴史』(岩波新書)

南北戦争期のニューヨークでは、黒人奴隷を解放するために戦争に行かされることを嫌い、徴兵反対暴動が起きたとのこと。暴動を起こしたのは、北部で社会の最下層に位置づけられていたアイルランド系らの白人労働者たちで、彼らは黒人だけでなく、中国人にも…

国境なき医師団からの贈り物

国境なき医師団から、買い物袋が送られてきました。他に、クリスマスカードと年賀状用のハガキ・ボールペンもいただきました。現在収入ゼロの私は、あまり協力できませんが、ほんの少し、寄付をさせていただきました。あと、買い物袋はマイバッグとして持ち…

和光同塵クリスマス 『ほっとする禅語70』

イマイチ意味を覚えにくかった「和光同塵」という四字熟語ですが、『ほっとする禅語70』に、わかりやすい例が書かれていました。(以下、抜粋) クリスマスイブ。少年が、ボロを着たホームレスのおじいさんに親切にしたら、次の日夢が叶っていた・・・・・・。その…

自由の女神は何の象徴? 『移民国家アメリカの歴史』(岩波新書)

自由の女神像は、世界中から新天地を求め海を渡ってくる移民や難民、亡命者を遍く受け入れる、移民国家アメリカのシンボルとのことですが、最初はそうではなかったということが、『移民国家アメリカの歴史』に書かれています。(以下、適当にまとめておきま…

両忘という言葉 『ほっとする禅語70』

『ほっとする禅語70』という本、右側のページに一つの禅語の説明が書かれていて、左側のページには、その禅語が、味のある字体で墨書されているだけという、読みやすいはずの本なのですが、一つ一つの言葉で考え込んでしまい、結構時間をかけて読んでいます…

貧困からの脱出!? 『身辺と秋筍』(内田百閒)

今まで読んできた百閒先生の作品には、貧困話が多かったのですが、ちくま文庫の『内田百閒集成9 ノラや』は猫話ばかりで、食事でも寿司を頻繁にとったりして、貧困から脱出した様子がうかがわれます。脱出できた理由については、『身辺と秋筍』という作品の…

猫の魅力は耳? 『ノラに降る村しぐれ』(内田百閒)

ノラがいなくなってしまった後の百閒先生の家に、別の猫が住み着くようになり、百閒先生はその猫にクルツという名前を付けます。(以下、抜粋) 猫の一番可愛い所は耳である。こっちを向いてぴんと立てていても、向うを向いて三角の後ろを見せていても、尤も…