2019-01-01から1年間の記事一覧

再就職の初任給

再就職先から、給与の明細書をいただきました。一年間ほぼ無収入であった身にとっては、10万円に満たない額でも、無茶苦茶ありがたく感じます。諸手当がついたせいか基本給より多いので、「もらいすぎでは?」とも思いましたが、文句を言うのも変なので、い…

私の働き方改革

今年度、二つの職場を掛け持ちすることになりました。と言っても、非常勤ですから、報酬は二つ合わせても正規雇用の時の3分の1以下。それでも生活に困るほどではなく、一日一日の勤務時間や勤務内容には余裕があるので、自分に合った働き方のような予感が…

無職最後の日

本日は、1年間の無職生活の最後の日。のんびり散歩を楽しみました。明日からは、二つの職場での怒涛の日々(というほどでもないです)が、始まります。

成績から見た歴史 『なぜ古典を勉強するのか』

いくつかの随想的文章からなる本ですが、「成績という文化」が面白かったです。(以下、適当にまとめておきます。) ①三島由紀夫は、東大法から大蔵省に入った超エリートと思われているが、実際はそれほど成績がよかったわけでもなく、本人は隠していたが、旧…

10カ月かけてやっと読了 『失われた時を求めて 12』(岩波文庫)

第12巻のタイトルは、「消え去ったアルベルチーヌ」。巻末にある「訳者あとがき」の中に、読了者の慰めになるようなことが書かれていました。(以下、抜粋) 『消え去ったアルベルチーヌ』は、恋人を失った悲嘆が少しずつ癒えてゆく心中のできごとにのみ数百ペ…

バブル嫌い 『内田樹による内田樹』

内田先生が、ご自身の著書『下流志向』について書かれた文章の中に、印象的な部分がありました。(以下、抜粋) バブル最盛期に高校のクラス会がありました。その席で、参加者全員が株と不動産の話をしているときに、話題に加わらない僕に向かって、友人が「な…

目からウロコの本 『内田樹による内田樹』

内田樹先生が、ご自身の書かれた本・翻訳された本について、ご自身で解説をするという趣向の本です。最も印象に残ったのは、『レヴィナスと愛の現象学』の解説でした。 ユダヤ人の哲学者レヴィナスが、ホロコーストを神が止めなかった理由について徹底的に考…

歩き続ける夢

先ほどまで見ていた変な夢。遠足か何かの帰りに、なぜか最寄りの駅の一つ手前の駅で降り、最寄りの駅まで延々と歩き続けるという内容でした。途中に神社のある丘があって急な坂を登り降りしたり、雪が残る道をなぜか草履で歩いたりして大変な道でしたが、な…

屁理屈じじい 『内田百閒集成11』(ちくま文庫)

『波光漫筆』という随筆に、日本郵船の嘱託として鎌倉丸という船に乗って横浜・神戸間を往復した時のことが書かれています。船の食堂の豪華なメニューを見て、百閒先生特有の屁理屈が炸裂します。(以下、抜粋) 献立表を手に取って見ると、全く大変な御馳走で…

冬のビール 『内田百閒集成11』(ちくま文庫)

昭和24年に発表された『ひがみ』という随筆に、戦中戦後のビールが入手しにくかった頃の思い出が書かれています。(以下、抜粋) 配給の麦酒しか飲めなかったついこないだ内までは、配給だけでは足りないから、よその分も譲って貰った。秋の末から翌年の夏初め…

ようやく新たな展開に 『失われた時を求めて12』(岩波文庫)

語り手(「私」)の元から去った恋人のアルベルチーヌが事故死した後、くよくよ思い悩んだり、アルベルチーヌの「女性関係」を探って新たに傷ついたりしている場面が延々と(300ページ以上)続いていましたが、12巻の半ばに差しかかってやっと次の展開が始ま…

シンクロニシティ?(意味のある偶然の一致?)

毎週の恒例で、本日も市立図書館に行き、数冊の本を借りてきたのですが、そのうちの2冊が、『タンタルス』(内田百閒集成11)と『常識的で何か問題でも?』(内田樹)。自宅に持ち帰って確認してみると、『タンタルス』の解説を内田樹先生が書いていらっし…

『ユダヤ人とユダヤ教』(岩波新書)

専門用語が多く、いちいち意味を確認せず、何とか通読しただけなので、半分以下しか理解できていません。(以下、抜粋) 近代以前のユダヤ人は、国家の保護を当てにできない寄る辺なき存在であった。しかし、西欧で近代国家が建設され、市民権を得たユダヤ人は…

『「地方ならお金がなくても幸せでしょ」とか言うな!』(朝日新書)

ユニークなタイトルの本(サブタイトルは、「日本を蝕む『おしつけ地方論』」)ですが、目からウロコの一冊でした。(以下、抜粋) おしつけ地方論に抗することは、グローバライゼーションという現実から目を背ける妄想を打ち砕くことである。大都市にある格…

突然の再会(個人的なことですがm(__)m)

3月10日(日)の14時ごろ、一人の来客がありました。渡された名刺を見てみると、17年前に卒業し、それ以来会っていなかった(はずの)教え子でした。彼によると、たまたま仕事の関係で近所の家に来て、私の家の前を通りかかり、表札で私の家だと知ったので、…

ビールの味 『内田百閒集成17』(ちくま文庫)

味のあるビールについて抱いていた思いを、百閒先生は見事に表現してくれています。(以下、抜粋) 家に麦酒(ビール)が有るには有ったが、私の好きな麦酒ではない。一般にはうまい麦酒と云う事になっているが、そのうまいと云うのが私には気に入らなかった。う…

『孤独死のリアル』(講談社現代新書)

孤独死について、いろんな観点から述べている本です。孤独死が発見された時の「リアル」な描写は、かなりショッキングでしたが、今後増えるであろう「在宅死」についても、興味深いことが書かれていました。(以下、抜粋) 1970年代までは、自宅で亡くなる人が…

借金の哲学? 『直木三十五伝』

直木三十五の甥にあたる植村鞆音氏による『直木三十五伝』。借金について参考になる(かもしれない)ことが書かれていました。(以下、抜粋。なお、文中の「宗一」は三十五の本名です。) 宗一には、借金について彼なりの哲学があった。ひとつは高利貸からしか金…

トイレで坐禅?

本日、用事があって県庁所在地の都市に行き、通りがかりの中央公園でトイレに入ろうとしたところ、「清掃中なので車椅子用のトイレをご使用ください」との表示がありました。指示に従って車椅子用のトイレに入り、便器に座ってドアを見たところ、次のような…

「二匹の蛙」の話 『アドラー心理学入門』(ベスト新書)

アドラー心理学については、よく理解していないのですが、「二匹の蛙」の話には感心しました。(以下、適当にまとめておきます。) ①二匹の蛙がミルク壺に落ちた。 ②一匹の蛙は、ああもう駄目だ、と叫んで諦め、何もしないで溺れて死んでしまった。 ③もう一匹…

初めて知った「南国忌」(2月24日「読売新聞」)

本日の読売新聞では、「編集手帳」の内容に興味を持ちました。今日は、直木三十五の命日で、「南国忌」と呼ばれているとのこと。彼の妻(佛子寿満(ぶつしすま))は、長女を出産してすぐに読売新聞の記者として働き始め、子守と家事は夫の三十五が担当した…

初めてのお使い(ではないけど)

再就職先に出す書類を取りに、市役所に行きました。地元の市役所ですが、自分で書類を取りに来たのは、なんと初めて(*_*)。今まで、必要な時は、配偶者に代理で来てもらっていたことに、改めて気づかされました。そういえば、自分で銀行に行くようになったの…

「健康」の新しい定義 『安楽死・尊厳死の現在』(岩波新書)

『安楽死・尊厳死の現在』の終章には、「健康とは何か」について書かれています。 WHOは「健康」を、「単に疾患がないとか虚弱でない状態ではなく、身体的・心理的・社会的に完全に良い状態」と定義し、「完全に」を入れたことで、非常に扱いづらい定義にな…

深い言葉 『平成の藝談』(岩波新書)

『平成の藝談』では、歌舞伎役者の言葉を紹介しています。今まで数回しか歌舞伎を観ていない私ですが、元禄の名優・坂田藤十郎の言葉に感動しました。役者は算盤や手跡など習う必要がないという意見に対して、言った言葉だそうです。(以下、抜粋) 「いやいや…

延命中止で延命効果? 『安楽死・尊厳死の現在』(岩波新書)

『安楽死・尊厳死の現在』を読んでいて、気分が落ち込んできましたが、中には明るい(?)話題もありました。在宅医療・在宅での看取りに取り組んでいらっしゃる小笠原文雄医師が、『なんとめでたいご臨終』という本であげていらっしゃる例です。(以下、抜粋) …

はきものの夢 『無意識の構造』(中公新書)

河合隼雄先生の『無意識の構造』を読み返していたら、「はきものの夢」について書いてありました。(以下、抜粋) はきものが見つからぬので、裸足で歩いてゆこうとする夢を見た人がある。この人は、これを「よい手段が見つからぬので無茶なことをしようとす…

ポピュリズムについて 『フランス現代史』(岩波新書)

先ほど読み終えた『フランス現代史』に、ポピュリズムについて分かりやすく説明してあったので、記録しておきます。(以下、抜粋) 21世紀に入り、政治は、効果と意義と実現可能性をもった政策の構想と提示よりは、政治家の人格やイメージの売り込みという色…

久しぶりの「怪」

先ほど(午前2時ごろ)、机に座って本を読んでいると、突然聞いたことがない音楽が鳴り始めました。室内にオルゴールはありますが、そのメロディーとは全く違うメロディーです。たった数秒のことでしたが、背中がゾクゾクし始めたので、寝室に行って寝まし…

予知能力?

配偶者の報告によると、今朝、認知症を患っている私の母(84歳)が、「お父ちゃんがいない」と言って泣いていたとのこと。ちなみに「お父ちゃん」というのは、彼女の息子である私のことです。私はちゃんと二階にいたのですが。母は、私の死を予知したのかな…

貧乏という身分? 『贋作吾輩は猫である』(内田百閒)

百閒先生ご自身がモデルと思われる五沙弥と、教え子の出田羅迷(でたらめい)、狗爵舎(くしゃくしゃ)との会話が秀逸です。(以下、抜粋) 「お金は有る様にでも、無い様にでも、どうにでもなるさ」 「そんなものかね。だが僕等の様な貧乏人はその融通がつかない…